5月30日(水)、「つなぐカフェオリーブ」で絵本読み聞かせ体験会を開催しました。今回、講師でご登場されたのは、JAPAN絵本よみきかせ協会の代表理事、景山聖子先生です。
景山先生は、子育て中、育児書に翻弄され、これではいけないと心理学を本格的に学び、絵本の持つ素晴らしい力に気付いたそう。
「絵本は、人が生きていく上で大切な、良いものを私たちへ伝えてくれます。短い物語の中で、勇気、愛情、思いやり、友情などの尊さを教えてくれます。絵本の中で冒険へ出かけることもできます」(景山先生)
また、読み手にも非常に良い影響があることが医学的に分かってきました。東京都健康長寿医療センター研究所の研究グループが、幼児・児童に対する絵本の読み聞かせボランティア活動が、高齢者の加齢に伴う海馬萎縮に抑制的に働く可能性があることを明らかにしたのです。認知症予防とのつながりを示すこの成果は、昨年の夏、国際雑誌の「International Journal of Geriatric Psychiatry」に掲載されました。
今回の絵本の読み聞かせ体験では、景山先生から読み聞かせのコツがご紹介され、参加された皆様にも実際に挑戦していただきました。自分の声は小さいから、あまり美しい声ではないから、と最初は躊躇されていた方も、景山先生のリードで自然と遠くへも届く声を出せるようになりました。読み手が鈴を転がすような声である必要はありません。どんな声でも、それがご自身の素敵な特徴なのです。
「絵本の読み聞かせでは、人柄の良いところだけが表れます。子どもたちはその人柄に触れたくて、近くへ寄って来ます」(景山先生)
相手を子どもに限定せず、大人同士の絵本読み聞かせも脳の活性化に有効です。
体験会の最後には、「自分のことしか考えていなかった。これからは相手のことを考えて行動したい」「絵本は子どものものと思っていた。このカフェにある絵本を全て読みたい」といった感想をいただきました。
読み聞かせを始めたくなる! 景山先生の著書
『子どもが夢中になる 絵本の読み聞かせ方』 〈おすすめ絵本リスト85付き〉 廣済堂出版
『今日から使える 読み聞かせテクニック』 〈CD付き〉 ヤマハミュージックメディア
読み聞かせをするときのコツをご紹介!(著書から抜粋)
相手のペースで
絵本の世界観を一緒に味わいましょう。相手が子どもの場合は、途中で終わっても大丈夫!
相手の目を見て
読み手が絵本にだけ集中せず、相手が物語が頭に入り堪能しているか、目を見て確認します。
上手く読もうとしない
相手を大切に思う気持ちが何よりも大事。そして、人と比較しないこと。声の質は、それぞれの読み手の特徴です。
絵を隠さない
ページをめくる際、手で絵を隠さないようにしましょう。小さな絵でも物語を紡いでいます。
※景山聖子先生の著書には、もっと詳しいコツがたくさん紹介されています。
景山先生セレクト!
今回の体験で読んだ絵本
15話を収載した絵本集。『4歳のお気に入り絵本集 おひさまのほん』小学館 『かさじぞう』再話:あまんきみこ、 絵:太田大八