戦中は生まれ育った銚子市で過ごし、戦後に東京へ出てからさまざまな体験をされたという福島さん。ご縁に導かれ、今も新たな経験を積み上げ、人生を満喫中です。
高尾山へ頻繁に行かれていると伺いました。
福島さん50年近く、月に3回は高尾山薬王院をお参りしています。80代半ばからは奈良県の金峯山寺へも年に2回。両親にならっての社寺参詣で、一番古い記憶にあるのは6歳頃。それからずっと行者さんなんです。
厳しい修行を?
福島さん40代の時、3年修験に挑戦したことがありますが、嫁ぎ先の両親が体調を崩し、看取るまでは介護の日々で。私たち世代では尽くすのは当たり前でしたが、周りからは「実の親だと思ってた」と後で驚かれたものでした。
ご両親を看取られてから、ご主人と二人の生活が始まったのですね。
福島さん夫婦二人には広過ぎる家で、建物を半分壊し、新しくアパートを建てることにしたのです。主人は仕事がありましたから、私が大家さん。主人が亡くなるまでの約束で店子さんを受け入れたのですが、30年以上住み続ける方もいて、家族ぐるみの付き合いとなりました。母屋の茶の間で、店子さん、ご近所さんも一緒に、わいわいと楽しく過ごしましたね。
ご近所で仲が良かったのですね。
福島さん家の中に閉じこもっている方がいると気になる性分で、声を掛けずにいられないのです。すぐ隣で教会を建てている時には、頼まれてもいないのに休憩してって茶菓子を出すくらい世話好き。でも、人にはよくしてあげるものですよ。ご縁は結ばれ戻ってくるもので、その時の建築会社の方と数十年後に偶然再会し、主人が他界した後の家の処分を相談できたのですから。
そこからこちらへ移られたのですか?
福島さんそうです。姉がこの近くに住んでいるので、甥っ子と姪っ子に呼ばれて。10軒ほど見学した中で、一番気に入ったのがこちらでした。昨年の暮れから、一目惚れした明るい部屋で気持ち良く暮らしています。
いつも元気な福島さん。健康の秘訣は?
福島さん声を出すのは健康に良いといいます。引っ越して来てからも、般若心経と観音経を唱えています。あいさつも大事で、一日に少なくとも7人と話すようにと周りの方へ勧めています。それから、前向きに考え、色々なものに興味を持つこと。5年ほど前に御詠歌の会に参加するようになり、若者に交じり学んでいます。一つ学ぶとまた違うものを学びたくなるもので、最近は写仏を習っています。甥っ子や姪っ子と連れ立って、全国あちこち旅に出るのも健康の秘訣でしょうね。両膝とも人工関節ですが、先日も薬王院横の108段もある階段を上り下りしました。毎日忙しくも楽しいですよ。