75歳以上の後期高齢者における「要介護状態の原因」の約4割は、骨や筋肉、関節などの筋骨格系の機能低下です。日々の生活活動量の減少による、食欲や筋力の低下といった加齢変化が大きく影響しています。さらに、不要不急の外出自粛が呼びかけられている今、ストレスも加わり、介護が必要になるリスクが高まっています。筋肉量は何歳からでも鍛えれば増えることが実証されています。感染防止や熱中症対策をしながら、自室でも行えるストレッチ体操、筋力トレーニングで生活動作を支える筋肉を鍛えて、介護予防に取り組みましょう。買い物、洗濯、掃除、食事、外出など、日常生活を送るための身体機能の保持が、生き生きと健やかで、自立した生活の継続につながります。
やってみよう! ストレッチングと筋力トレーニング
ゆっくりと筋肉を伸ばし、関節の可動範囲を広げるストレッチをまず行います。それから、体全体の6〜7割の筋肉がついている下半身の筋力トレーニングに進みましょう。
①肩の上げ下げ
肩をゆっくり上げて、ゆっくり下げる。反動を使わずに、ゆっくりと行う。
②首のストレッチ
顔は正面のまま左右に首を倒す。8秒間かけて、じわーっと伸ばすようにゆっくりと行う。
③肩回し
指先を肩に寄せ、肘を大きく回す。肘で大きな円を描くイメージで、内回り、外回りの両方行う。
④臀部のストレッチ
足をもう一方の膝あたりに乗せ、背筋を伸ばした姿勢で上半身を少しずつ前に倒す。8秒間かけてゆっくりと行う。
【注意】運動中は呼吸を止めないようにし、反動を使わずにゆっくりと行いましょう。楽にできる回数からはじめ、徐々に回数・セット数を増やしましょう。
①脚の後上げ運動
上体を少し前に傾け、足を真後ろに持ち上げる。片足ずつ連続で、4秒かけて上げて、4秒で下ろす。
②スクワット
お尻を突き出すようにして、ゆっくりと膝を曲げ伸ばしする。4秒かけて曲げて、4秒で伸ばす。
③脚の横上げ運動
つま先を正面に向けたまま、足を真横に持ち上げる。片足ずつ連続で、4秒かけて持ち上げ、4秒で戻す。
【注意】4秒を声に出して数えながら、10回を1セットとし、1〜3セット行います。最初は楽にできる回数、セット数からはじめましょう。