野ベラ釣行記
5月13日(月)、野釣り場の新規開拓で少し遠征し、千葉県北部の手賀沼へと注ぐ、一級河川である大堀川へ。土手から川辺へ下りると対岸にヘラ釣りの既設釣り台が数台、その横でルアーを走らせるバス釣り師。朝方の曇り空から一転、雲少なく初夏を思わせる日差しの中、水面に煌めく魚体を確認し、釣り場をそこに決める。16尺竿を継ぎ、正午ちょうどに第一投。エサを吸い込む気配はあるも、アタリはこない。エサを変えヘラブナの動きを探る。第一投から40分が経過した頃、アタリが連続で起き、15分で3枚と期待が膨らむ。釣り始めてから2時間で5枚、竿を上げて川底を休める。風が波を右へ左へ立たせている。14時20分、再度竿を出す。浮きが波に遊ばれ、引きを得てもバレてしまう。16尺から13尺へ竿を継ぎ直し30分、6枚目のヘラ。そこから10分粘り、16時前に納竿。釣果はヘラブナ6枚。美ベラと出会え、素晴らしい一日だった。
釣りで得る学びの多さ
ある休みの日の釣り記録から突然始まり、驚かれたでしょうか。私が釣り好きなことは、スタッフはもちろん、ご入居者様もご存知です。もともとは道楽の一つでしたが、いまは人生の学びの場となっています。
私が考える釣り道とは、想像し、仮説を立て、準備をし、実行へ移し、想定から外れた場合は試行錯誤を繰り返し、その場で得られる最善の結果へと導くよう努めるところにあります。まとめると、釣りには、想像力・観察力・忍耐力・実行力が必要で、釣りを通じて培われる能力といえます。わずかな変化や違和感を敏感に察知し、どう対処するかを考え続ける。これはどのような仕事であろうと、職務遂行に必要な能力です。あとは、執念。固執と言い換えてもいいのですが、目的を完遂するには、強い心も必要です。
結果を謙虚に受け止める
周到な準備と優れた能力をもってしても、結果が出ないことはあります。しかし、体験して蓄積された経験は無駄にはなりませんし、成功したときには、その結果が当たり前と捉えないことです。釣りであれば、「釣った」のではなく、「釣れた」と考え、結果に対して謙虚になるべきだと思っています。偶然と必然の狭間にこそ、魚との出会いがあるのではないでしょうか。
専門性ではなく普遍性
釣りのように専門性の高い分野の話であっても、本質的には全ての物事に通じる性質があります。それが普遍性です。いざというときに専門知識がどれだけ役に立つのでしょう。自然の摂理の前で人間は非力であることを受け入れ、相手を慮った行いを起こす自己判断力を育てねばなりません。なぜなら、我々がご提供している人為的サービスの医療や介護には、限界があるからです。その限界を超えたところで、普遍的な価値に基づく行動を取れる人間となるよう、スタッフの成長を期待しています。
OFFはヘラ師に
10歳でタナゴを釣り上げてからの釣り歴自体は長いものの、ヘラ釣り歴はまだ2年ほど。ホームグランド(いつもの釣り場)へは自転車で3分。休みの日は朝から夕方まで釣り場で過ごすことも。
地元のお知り合いが連載コーナーを持つという愛読雑誌『月刊へら専科』(メディアボーイ刊)。「野べら人、チャレンジロード、電撃!野釣り魂は必読です」(熊倉支配人)。
2019年8月号の誌面(P.175)に熊倉支配人の姿が!