vol.9

自分史

小泉映子さん「好奇心は人生を楽しむカギ」

 

生まれ育ったのは、歌に舞台に語り継がれる大連の名所。
14歳まで過ごした大連での思い出、父親の営む映画館で観た映画、戦後から現在に至る様々なお話を伺いました。

映画を身近に育ったのですね。

小泉さんミュージカルの『歌ふ狸御殿』は今も覚えています。実際は姉と兄、2人の妹と本を読んで過ごしたことの方が多かったですが。あとは凍った湖面でアイススケート。ロングエッジのスケート靴で、皆でスピードスケートをしましたね。

スケートは日本へ戻られてからも?

小泉さん日本に戻ってからはスキーの素晴らしさを知り、志賀高原などへよく行きました。スキーは滑走中、風景が変わるでしょ。どんな世界かなと興味を持ったら挑戦する方。日本で女学校3年生に編入し、卒業後にタイピストの学校へ通いました。

技術を得て就職を。

小泉さん最初は新聞会社に勤めたのですが、新聞紙から出る粉塵が元々弱い気管支に悪くて、数年で転職しました。友人に声を掛けられて劇団の事務を手伝ったり、妹と喫茶店を開いたり、色々と経験しました。

行動派ですね。好奇心の旺盛さは、趣味の読書と関係がありそうです。

小泉さん幼い頃は『キンダーブック』、女学生のときには友人と隠れて『良人の貞操』も読みましたね。本格的に読書をするようになったのは、もっと後。寝て過ごすことが多くなった母の側に付き添うようになった頃からです。書店で平積みされている本を手に取り、裏表紙であらすじを眺めて、面白そうと思ったら数冊まとめて買うようになりました。

好きなジャンルや作家さんは?

小泉さん賞を取った話題作、実用書、時代小説、海外ミステリーも読みます。愛読しているシリーズもありますが、ジャンルといった枠に捉われず幅広く。読み返すことはあまりなく、一度読んだだけの本を処分するのもと思い、NTT都市開発さんとの面談時に本棚があったらとお話したんです。

それから1階食堂ラウンジに「オリーブ文庫」が設けられました。

小泉さん多くの方が本を寄贈しているそうで、本棚を増やす計画があると聞いています。手元に本がないとき、「オリーブ文庫」から読んだことのない作家の本を借りることもありますよ。移動中に読むには、文庫本が軽くていいですね。

あちこち外出されるのですか?

小泉さん今でも月に一度、大連出身の仲間と集まっています。この住まいでの仲間とも食事やバスツアーで出かけることもありますよ。朝のラジオ体操の後、コーヒーを飲みながら、次はどこへ行く?なんて話で盛り上がって。毎日、楽しく過ごしています。

大連の思い出