祖父母と同居していたためか、高齢の方に尊敬の念をともなった、親しみを幼い頃から持っていたと振り返るコンシェルジュ。人生の先輩は、色々な知識を持ち、親切に教えてくれると言います。元々は音楽の道を進み、作詞・作曲・編曲を一人でこなす、音楽業界のプロでした。高い才能を認められ、専門学生時代から音楽事務所に勤め、次々と楽曲を創造する忙しい日々を送っていたそうです。
「ある日、テレビで高齢者福祉の様子を伝える番組を見た時のことでした。介護を受ける方がつらそうで、自分に笑顔をもたらすことはできないか、と考えたのです」
そこで、インターネットで高齢者施設を探し、持ち運べるピアノを抱えて一人で営業に行きました。歌を届けるボランティア活動です。本業をこなしながら、月に一、二度訪問し、リクエストに応えて歌いました。その内に、どうせ訪問するのなら、もっとお手伝いをしたいと思うようになりました。
「当時、所属していた音楽事務所に内緒で、週に二度ほど通学して、ヘルパー2級を取得しました」
音楽業界で頑張り続けるか、違う道を選ぶか。母親の知人のケアマネージャーが相談に乗ってくれ、すぐに近所の介護事業所に登録。訪問介護員(ホームヘルパー)として再出発する道を選択しました。
「主に生活を支援する仕事で、もっと身体的な介助もできたらと思うようになって。本格的に介護の世界へ入るなら、サービス付き高齢者向け住宅が性格的にも合っていると、介護事業所や知人のケアマネージャーに勧められました」
偶然にも「ウエリスオリーブ鵠沼松が岡」が開業のため、コンシェルジュを募集していると知りました。もちろん、すぐに応募しました。開業の1カ月前から研修が始まり、ここでの勤務もすでに1年以上です。
「最期の瞬間まで笑っていられること。それが幸せじゃないですか」
何事にも前向きに、苦難ですら楽しむコンシェルジュは、笑顔は安心から生まれると信じています。共有できるものが増えれば安心感も増す。だから、お話は分かるまで伺い、本の話をされたらその本を借りて理解できるまで読むそう。勤務時間外は、実家の祖父を介護しています。祖父の笑顔を見たいからと。尊敬する方々に囲まれ、充実した日々を過ごしています。
いつか挑戦してみたいことは…「ご入居者様とコンビを組んで漫才を披露!」
イベントでは、ご入居者様のリクエスト曲を歌い、会場を盛り上げるコンシェルジュ。建物外での訪問介護もしています。
喜んでもらえたら、とても嬉しい!
「HAPPY BIRTHDAY」 ご入居者様のお誕生日には、手作りバースデーカードを差し上げています。字も絵も上手!