vol.9

特集企画

小さな私設図書館の構想と誕生まで

NTT都市開発では、定期的にご入居者様との面談を行い、 皆様に求められる理想の「我が家」の実現をめざしています。 住まいに図書館をとの声に応えるため、ウエリスオリーブシリーズの 武蔵野関町・町田中町・東村山富士見町の 「つなぐカフェオリーブ」に、まちライブラリーを併設しました!

森ビル勤務時代、一から育てた有料会員制図書館はビジネスとして成功を収めましたが、施設の巨大化と運営の効率化により、会員との人間関係は希薄化しました。考えを分かち合うという当初の思惑から外れていき、ジレンマを感じましたね。人事異動で約18年間携わった事業から離れた後、次こそ人がつながれるミクロな活動を大切にしようと構想したのが、私設図書館のまちライブラリーでした。

具体的には、単に本を貸し出すだけでなく、本を介して人が交流し、つながる場を作ること。最初は本がなくても、取り組みに共感や興味を持った人が本を持ち寄り集まれば、まちライブラリーはできます。建物内だけでなく、定期的に公園で開いてもいいのです。子どもの遊ぶ砂場のようなもので、一人が山やトンネルを作っていたら、面白そうと自然に仲間が集まりますよね。共通の興味を見出し、共にイベントを起こしてワクワクできる空間が、まちライブラリーなのです。

2011年より提唱活動を始め、今では600ものまちライブラリーができました。私たちは、本を寄贈することを〝植本〟と呼んでいます。植本時に、その本に寄せる思いを書き、借りた人もメッセージを書き込める感想カードをつけています。メッセージも人と人をつないでくれます。次号では、本がつないだ物語やイベントをご紹介します。

まちライブラリーとは?

「まちライブラリー」は、「本」を通した「人」との出会いの場。 みんなで持ち寄った本で共有本棚を作ります。 持ち寄った本には寄贈者がメッセージを残して、 次に読んだ人が感想を書き連ねていきます。

まちライブラリーのしくみ
「まちライブラリー」では、絵本読み聞かせなど交流のきっかけとなるイベントも開催!

会員登録は「つなぐカフェオリーブ」で行えます。

本の貸出、返却、本の寄贈方法など、詳細についてはカフェスタッフにお尋ねください。