強い台風が関東に最接近した8月8日(水)、生涯学習のユーキャンが発行する「思い出しカード」で、幼かった当時へタイムトリップするイベントを開催しました。今回の思い出しサロンには、「思い出しカード」の開発・編集者、イベント企画進行の専門家が聞き手として参加しました。
3人で1テーブルを囲み、4テーブルに各一人聞き手が着席。冒頭で「僕のことは賢ちゃんと呼んでください」と自己紹介した司会者が、イベントを進行しました。
まず最初に司会者が一枚カードを選び、ご参加の皆様へお見せしました。「冬の風景から思い出すことを各テーブルで話してみましょう。自己紹介を兼ねますので、お名前と出身地、それから思い出話を聞かせてください」。聞き手が例えばこんな感じで、と自己紹介をすると、各テーブルでお一人おひとりが語り始めました。
「疎開先の秋田県で竹のスケート靴を借りて滑ったわ。東京から疎開した子どもは自分では持っていなかったから、肩身が狭かったの」というお話に同情のうなずき。寒い地域ではなかったという方は、違うカードを手に取り「ピンポンのラケットを作っている写真ね。遊ぶ道具は自分たちで作ったものよ。小さい子もナイフを上手に使ってね」と語れば、「そうそう」と共感の声が上がりました。冬の思い出から、学校のストーブでお弁当を温めて、教室が焦げた漬物の臭いでいっぱいになったこと、給食の脱脂粉乳が美味しくなく、今でも牛乳が苦手といった話へも広がりました。
休憩を挟み、司会者に誘導され席替えした新しいテーブルの仲間で、イベントを再開。テーブル上に並ぶ「思い出しカード」から気になる一枚を手に、思い出を語っていただきました。
「餅つきしたね。つきたての美味しかったこと。家族で集まるだけでも人数が多いのに、食卓に知らない人がいることもしょっちゅう」のお話に、「おおらかな時代だったわよね」。かっぽう着姿の女性がかまどで炊事している写真のカードを見て、「かまどが3つあってね。鉄瓶もこれと同じものがあったわ」と話されると、「うちは2つよ」の声も。聞き手が「そんなに多く?」と驚くと、「今もコンロは3つ口とかでしょ。ご飯を炊いて、おかずや汁物も作るんだから」の言葉に納得しきりでした。
イベントの終盤では、各テーブルに模造紙が1枚置かれ、思い出を絵にすることになりました。最初は戸惑われていましたが、徐々に手が動き出し、素敵な絵が完成。絵を描く間も思い出話に花が咲き、最後まで楽しい時間となりました。