「ウエリスオリーブ新小岩」にお住まいでした、御園生治男(みそのうはるお)様が2016年8月30日、満94歳でご逝去されました。3人の娘さんから、お言葉を頂戴いたしました。ここに紹介させていただきます。
長女:江森潤子様、次女:小池恒子様、 三女:中野紀子様
私たち三姉妹の父、御園生治男(みそのうはるお)がここ「ウエリスオリーブ新小岩」に入居したのは、今から2年半前のこと。大正10年生まれの父は、母親を早くに亡くし、何事にも厳しかった祖母に育てられたと聞いています。父も作法に厳しく、食事時には箸の使い方から調味料の量に至るまで事細かにしつけを受けました。
自分にも厳しい人で、人様に迷惑を掛けることを何よりも嫌いました。嫁に出した娘たちにも迷惑を掛けないようにと、築40年を超えて不安のある一戸建住宅を出て、安心して暮らせる場所を一人で探し始めるほど。さすがに見学は、私たち三姉妹と主人たちの6人が父に同行し、あらゆる形態の施設や住まいを一緒に内覧しました。
母と死別して10年も一人暮らしをしていた父ですから、制約を受ける生活は堪えられません。でも、家に電話しても出てくれないとき、父の身に何かあったのではと不安に怯えるのに私たちが堪えられません。結局、最後の見学地だった見守りのあるここへ入居するよう勧めました。
一戸建住宅から1部屋のフラットな生活への移行は、生活環境の変化以上に体を動かさなくなる影響の方が心配でした。しかし、退職後に始めたカメラを持って撮影に出掛けたり、写真教室に通ったり、活動的な生活をありがたいことに送れていました。
コンシェルジュの皆さん、支配人の藤波さんたちは、尊敬の念を込めて父の言葉を傾聴してくれたようです。家をそのままにして、いつでも戻れるようにすることで入居を決めた父だったのですが、1年も経たないうちに「地震で倒壊してお隣さんにご迷惑をお掛けしたらいけない」と家を処分するよう言ってきたのです。どれだけここでの生活が気に入っていたのか、そのことだけでも分かります。
しかし、転機は急に訪れました。胃の手術後の回復が思わしくなく、坂を転がるような速さで体調を崩していきました。病院で最期を迎える覚悟をした父でしたが、本当はここが良かったのです。「看取りもできます」と言ってもらえたときの父の安堵の表情が今も忘れられません。手すりの追加設置や容態に合わせた適切な用具の変更など、常に見守ってくれていたからこそ、素早い対応が可能だったのでしょう。そして、生きる気力を最後の最後まで与えてくださいました。父の最後の最高の出会いがここにあったのだと思います。本当にありがとうございました。